スキャモンの発育発達曲線


スキャモンの発育発達曲線は、ヒトの成長を一般系(骨や筋肉の発達)、神経系、リンパ系、生殖系の4つに分類しています。これらはヒトが大人(20歳)になるまでの間に一様に成長するわけではない、それぞれ発達する時期が違うということを表したものです。

スキャモンの4類型のうち、運動能力の習得には神経系と一般系の発達が関係してきます。神経系は9歳頃までにほぼ完成に近づくとされていますので、9歳頃から第2次性徴で一時的にホルモンバランスが崩れる時期までの間は、「巧みな動き」「すばしっこさ」といった能力を身につけるのに最も適した時期(ゴールデンエイジ)となります。
この時期に向け、9歳頃までの時期(プレ・ゴールデンエイジ)には様々な運動を経験することで神経を刺激し、神経回路を開いておくことが大切だとも言われています。

一方、一般系(骨や筋肉の発達)は第2次性徴の頃(成長期)に発達していきます。いわゆる筋力トレーニングや持久力トレーニングは、この一般系の発達を待って行われる必要があります。従って、小学生年代での筋力トレーニングや持久力トレーニングは、全くナンセンスということになります。ここで注目は神経系の発達曲線です。11・12歳でほぼ100%に達しています。つまり神経系の運動はこの時期までにやっておかないといけないのです。チームの子供達がまさにこの時期に当たります。足を細かく素早く動かすトレーニング、前に行ったり後ろに行ったり飛んだり跳ねたり・・日ごろの生活の中で動かさないような動作を取り入れ、神経に刺激を与えておくことが大切なのです。

今までの練習で、バスケットに結び付かないような運動を、特に低年齢の時に多く行っているのはそのような理由からです。鬼ごっこもその一つです。バスケットと何ら関係ないと思われることが実はこの時期に大切なのです。以上を踏まえ、小学生の年代は様々な運動をして個人のスキルを高める事がとても大切だと言えます。